明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.

2010年6月17日木曜日

楊時喬「新刻馬書」の十四巻は駱駝

「新刻馬書」は1594年の刊,太僕寺の出版であるから官刻で,序文は卿の楊時喬が認めている.この書の第十四巻は駱駝で,馬書・駱駝書の構成は「元亨療馬方・附医駝方」と同じである.後の官刻療馬書は全て「元亨療馬集・療牛集」の構成であるが,「四庫全書」に収められた最初の「療馬集」は元亨兄弟編で附医駝方と記録されている.元亨療馬集・馬経大全と呼ばれる書のオリジナルは坊刻本で,最初に官刻したのは楊時喬,次が丁賓,三番目が許鏘である.

2010年6月6日日曜日

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五裂(ゴレツ)とある.幅は二寸であるから,元の布幅は丁度一尺となる.馬では五裂,犬は八裂を用いる.大型犬の口輪をする時は尺幅の包帯を使う.細いものを使うと切られる恐れがある.
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