山口県達類纂・馬場壽槌編纂。第九類・勧業。四十七頁から。
○獣医蹄鉄工
◎獣医仮免状下付出願手続二十三年九月十三日県令第四十七号
獣医仮免状下付出願手続左ノ通相定ム但明治二十一年九月本県令第七十九号獣医仮免状下付出願手続ハ廃止ス
獣医仮免状下付出願手続
第一条 獣医ニ乏シキ地方ニ於テ仮ニ獣医ノ業ヲ営ントスル者ハ甲乙書式ニ倣ヒ願書ニ履歴書ヲ添ヘ郡市役所ヲ経テ常庁ヘ差出スヘシ
第二条 獣医仮免状区域内ニ於テ獣医免許規則第二条ノ資格ヲ以テ免状ヲ得タル獣医ノ新ニ開業スル者アルトキハ免許年限中ト雖モ仮免状ヲ返納セシム但実地ノ情況ニ拠リ免許年限中継続営業セシムルコトアルヘシ
第三条 仮免状下付ヲ出願スル者アルトキハ郡市長ハ獣医欠乏ノ地ニ限リ区域ヲ定メ其地勢廣袤牛馬頭数及営業年限等丙号書式ニ拠リ取調意見ヲ具シ願書ト共ニ進達スヘシ
甲号書式(正副二通一通ハ美濃紙一通ハ半紙)獣医仮免状下付願
住所(寄留ナレバ本籍ヲ併記スベシ)
属籍
氏名
年月日
私儀何郡(市)何町(村)何番地ニ於テ獣医営業仕度候間仮免状御下付被成下度別紙履歴書相添此段奉願候也
年月日 右氏名印
農商務大臣宛
右市(町村)長氏名印
乙号書式(用紙仝上)履歴書
氏名
何年何月生
当何月何年何ケ月
一何年何月ヨリ何年何月マデ何学校或ハ何ノ誰ニ就キ何々修業
一何々
右之通相相違無之候也
年月日 氏名印
丙号書式 獣医仮免状下付願調書
住所
属籍
氏名
年月生
営業区域何郡(市)一円又ハ何郡(市)ノ内何々町村
区域内地勢ノ嶮夷
同 広袤
同 牛馬頭数
営業年限何ケ年
開業獣医居住地ヨリ右区域境界マデノ最近距離
◎獣医ノ外牛馬の剪刺ナラサル件十九年三月十三日甲第三十三号
従来牛馬医ナル者牛馬ヲ集メ蹄剪刺絡等ノ術ヲ施シ来候處客年八月第二十八号公布実施ノ上ハ右蹄剪刺絡共獣医ニ非レハ施術相成ラス
明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.
0 件のコメント:
コメントを投稿