明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.

2009年8月20日木曜日

山口県売肉規則

 屠牛併売肉規則(明治期山口県布達類17  

 八年五月廿八日

近来肉食日々相関侯処、右渡世之者病牛死牛甚シクハ馬肉犬肉等取交令売却候哉こ相聞侯二付、
以往猥二売鬻差留侯、依テ別紙規則二注意シ更二可願出侯事右及布令候也
 
(朱書)
 〔別紙〕    
屠牛併売肉規則

一屠牛牽人候ハヽ早刻病不病之検査ヲ可請侯事
一取締人ハ改封印紙凡積ヲ以予備可申出候事
一屠牛之都度々々取締之者検査ヲ可請侯事
一屠りタル全肉ハ取締之者売捌所工可致護送候事

一売捌所ハ買方ノ弁理ヲ量り可相設事

一屠牛之有無日々村町役所へ可届侯事

一売肉渡世之者ハ鑑札願請売捌所二テ可買取候専

一無鑑札ニテ営業致シ候者自然有之侯ハヽ、鑑札所持之者肉ハ勿論物々等預り置詳細書面
 ヲ以可申出侯事
一為滋養買肉スル者於同所直買勝手タルヘシ
一馬肉犬肉等取交売捌侯者相顕ルヽ二オヒテハ売高多少二不拘明治六年七月第二百五拾六

  
号こ依り可及処分侯事但、確証ヲ取り訴出侯者エハ賞誉可致侯事

一棟人取締之者卜申合不正筋有之候ハヽ、見付訴出侯者ハ事柄こ応シ相当之賞誉可致侯事
一取締之者人撰之儀ハ会議所詮議ノ上姓名可申出候事
一取締入居牛場出張日二限り一日金五銭宛検査料遣シ侯事

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