明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.

2009年8月8日土曜日

中国の古典畜牧獣医専門書で現存するもの

中国の古典畜牧獣医専門書で現存するもの


牛経 三国時代

司牧安驥集 北宋時代 改編本

司牧纂験方 宋時代 一巻存

安驥薬方 末巻存

馬書 楊時喬 明

牛書 楊時喬 明

元亨療馬集  明

馬書・牛書は『元亨療馬集』から作られたものである.従って先に掲げた四書以外の書物は書目集に記録されるだけで,現物は存在しないから,その内容についてわが国で出版された療治書と比較・検討することが出来ない.しかし,幸いな事に『元亨療馬集』はその出典書を明記するため,書目集と照らし合わせて内容の成立時期を推定する事が出来る.

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