畜産技術講習叢書・第十三篇 ・・・終りに・・・
一,本篇は尾道常設家畜市場に於て多年市場用語を蒐集研究された,辰巳盛太郎氏の厚意により,同氏の著書を基幹として編纂したものであります.・・・
一,従って蒐録した語句は,勢ひ中国地方の言葉が中心と・・・
昭和十七年八月三十日 がま金堂印刷 非売品
幾つかの非常に珍しい語句の記載がある.いたふみ,くろちょう,おかうし,おきょううし,げだんうし,うじなむき,てんじんうし,はしらうし,ろ,ちぎ,ふり,だいく,めった,ちょうはん,みづ,おき,あつ,あぶ,ひねり,げだんし.ふとうじし.つぶす,ぼう,ばばたれ・・・
戦前に講習会の参考書として印刷されたもので,この書は現在の古書市場にも,図書館の蔵書目録にも名前が無い.社団法人の畜産技術協会だけは現在も続いている.畜産史の分野の書であるが,獣医学史と重なる部分がある.
明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.
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