明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.

2013年3月29日金曜日


牛の寿命と年齢別構成

牛の寿命を十五年として,年齢別の頭数をグラフにした.縦軸は年齢,横軸は千頭の牛群の実数で表示している.千頭の牛群を維持するためには毎年165頭の子牛が生まれて来る必要がある.死亡数も同じとなる.牛の場合は性比は牡が僅かに大となるから新生仔牝は81-2頭になる.この群で繁殖可能な牝牛は268頭,受胎率61.5%で牛群を維持する事が出来る.
 実際の家畜としての牛の群構成は極めて歪で,乳牛は洋種の若い牝のみ,肉牛も雑種の若い去勢牛だけとなり,役牛は日本にはいなくなった.


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