明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.

2012年1月1日日曜日

品川弥二郎と時重初熊のつながり

勧農局長・品川弥二郎は明治十四年二月二十八日付けで駒場農学校植物病理学科を廃し三月六日に生徒二十名を退校処分にするが,時重初熊のみ三月八日に普通農学科に入学を許可,更に十五年二月に獣医学科に入学している.この事件がなければ今日の日本の獣医学の礎は築かれなかった.植物病理学科廃止の顛末は駒場農学校等史料・安藤円秀:昭和四十一年に詳しい.

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