大正15年4月法律第53号「獣医師法」を制定.大学で獣医学を修めた学士,東京帝国大学農学部獣医学実科卒業者,官立・公立の専門学校で獣医学を修めた者に獣医師免許状を付与.
但し,経過措置として十二年間,昭和十三年三月の卒業生までは旧制度の無試験免許状を付与する.
山口県立農学校では昭和十一年三月に獣医畜産科を獣医科・畜産科に分離し,獣医科を廃止する.
昭和十四年四月,獣医師試験規則を制定し,農業学校に第二部獣医科を設置.獣医師国家試験の受験が可能となる.山口県立農学校も第二部獣医科を設置して学生を募集.更に昭和十五年四月「獣医師法等の臨時特例に関する法律」で十年間の獣医手制度を実施した.
昭和十八年一月・勅令第三九号を以て「専門学校令」を改正.同年十二月,山口県は第二部獣医科を専門学校として昇格設置を請求し,昭和十九年一月に『山口高等獣医学校』が開設された.この学校には四名の陸軍給費委託学生が居り,この内三名は山口の第二部獣医科の卒業生で一名は水原高等農林の卒業であった・・・らしい.翌年の三月二十九日,『山口獣医専門学校』へ改称.やがて敗戦.昭和二十三年十二月十五日下関市長府に移転し,山口大学農学部の母体となる.
明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.
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