明治維新の頃,日本にはまだ獣医の制度はありません.この頃は馬の療治は武士の身分の「馬医」が行っていました.やがて,軍隊が洋式化され,革靴,羊毛服,牛肉缶詰が大量に必要となると,馬医は獣医と名称を変え,資格も国家試験免状となります.日本の獣医術や獣医学は主に軍馬の治療と軍人の食料(牛)・衣服(羊)のために発達しました.軍犬や軍鳩が研究の対象となるのは,ずっと後の事です.

2019年10月18日金曜日

獅子身中の虫と獅子心中の虫

獅子と呼ぶ肉食獣の体内に寄生する寄生虫は全て獅子身中の虫。肉食獣の心臓に寄生する寄生虫は獅子心中の虫で、線虫類の犬糸状虫、心臓糸状虫また剛強糸状虫。学名Dirofilaria immitis
他の線虫類の寄生はまだ報告を見ない。心臓内に寄生して、血液の循環障害を惹き起すので他の獅子身中の虫よりタチが悪い。余談になるが獣もシシと読み、牛にもタチと称する病がある。ネット上の辞典にあまりにもひどい記述があるので犬糸状虫症予防薬開発者の一人として釘を刺す次第。犬糸状虫症の最初の報告は駒場農学校・ヨハネスルードヴッヒヤンソン門下の青山敬一が「医事新聞」だったと記憶している。獣医師は自分の目で見たから嘘はつかないが、見たことのない者はお釈迦様が見たと言って嘘をつき、ネットに投稿するから笑い物になる。あの岩波の「広辞苑」でさえ見島牛を天然記念物とするから、馬鹿も休み休み言え!となる・・・獅子身中の虫の代表は線虫類の犬小回虫で学名にはライオンの回虫と記してある。

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