改訂日本古代家畜史
著者は鋳方貞亮.発行所有明書房.昭和五十七年発行.原書は昭和十八年脱稿,同二十年発行.参考文献は古事記,日本書紀,風土記,三国志に旧帝国大学の発掘報告書の類.戦前の考古学であるから,文系の歴史学の分野である.理系のものとしては唯一コンラット・ケルレルの「家畜系統史」を引用するが,この書は西洋の家畜の系統について述べたもので,日本・東アジアの家畜については殆ど記載がない.(家畜系統史 コンラット・ケルレル著・加茂儀一訳.岩波文庫1176-1177) 貝塚から牛馬の骨が出土する説の基となる書である.